失業期間を人生最高の充電期間にしよう!!

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人生の充電期間
失業する理由は人それぞれです。会社が不況・不運に巻き込まれて継続できなくなるので仕方なく失業する人もいれば、自分が描いた理想や理念と程遠い職場環境に耐えられず失業する人もいるでしょうし、今の仕事に飽きた、給料が低い、とにかく人生仕切り直しをしたい、といったとてもシンプルな理由で失業の道を選ぶ人もいることでしょう。
どんな理由にせよ所属していた会社を退職し、失業者となったからにはこの環境を自分にとってよりよいものにしていく必要があります。ここでは今後充実した人生を送るための失業生活のあり方について考えていくことにしたいと思います。

どのような失業をするか? ~自己都合か会社都合か

初めて失業する人はピンとこないかもしれませんが、失業する場合、自己都合か、会社都合かということは失業手当をもらうときにとても重要になってくるキーワードなのです。
自己都合で会社を辞めた場合、失業手当(求職者給付金)をもらえる時期が3ヶ月も遅くなってしまいます。また場合によってはもらえる期間が大幅に短縮してしまいます(最大で180日分も短くなってしまいます)。
倒産や整理解雇などの会社都合で会社を辞めることになった場合、所轄のハローワーク(公共職業安定所)に行き申請すれば失業手当をもらえる権利が1週間程度で認められ、その後1ヶ月後には28日分の失業手当がもらえるようになります。以下に示した表を参考にしてみてください。

◆会社都合で失業した場合に給付される失業手当の日数

就業期間※/退職時の年齢 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

※は雇用保険の被保険者であった期間。

◆自己都合で失業した場合に給付される失業手当の日数

就業期間※/退職時の年齢 10年未満 10年以上20年未満 20年以上
65歳未満 90日 120日 150日

※は雇用保険の被保険者であった期間。

手当は前職の給料の額面にもよりますが賃金日額の50~80%程度で、1日あたり5000~7000円前後、通常で月額十数万円、多い人でも20万円に満たない程度と考えてよいでしょう。それでもハローワークに失業期間中に一定の求職活動をしていることさせ報告すれば、このお金がお給料と同じように3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月の間、定期的に入ってきて、その間に次のステップに備えることができるわけです。
失業手当をもらうことになった人は勤労者が毎月払って支えてくれている雇用保険のありがたさを感じながら、そして、やがて自分もまた支える身に戻ることを充分認識・自覚して、自分に与えられたセーフティーネットを有意義に活用していきましょう。
なお、失業手当は会社に勤めてすぐに発生する権利ではありません。正社員として勤務した場合は1年で得られる権利です。パートなどでの週3日勤務なら権利を得るのに2年かかるということを覚えておいてください。

自己都合でも会社都合になる場合もある

自己都合だと3ヶ月の待機期間(給付制限期間)があり、失業手当がその分、遅くなり受給額も減る点について述べましたが、これには例外もあります。すなわち自己都合でありながらも、その理由が会社側で致し方ないと判断すれば、会社都合と同じ条件で失業手当を受け取ることのできるケースもあります。たとえば会社が給料を払えない状態が続き、これ以上遅配が続くと生活できないといった状況に追い込まれた上で社員が退職を申し出るなどの場合には、たしかに自己都合ですが、致し方ないということで会社が「正当な理由のある自己都合」と認め、職業安定所に申請し、これを職業安定所が認めれば、会社都合と同じ扱いになり、3ヶ月の給付制限がなくなります。

自己都合と会社都合ではどちらが転職活動に有利?

「自己都合退職と会社都合退職ではどちらが転職活動に有利か」ということについてよく議論されますが、これは一概には言えません。少なくとも会社都合退職は「本人の都合でなく、会社の経営悪化など仕方ない事情で辞めた」という印象を相手に与えます。でもそれが有利かといえばそうとは限りません。面接試験に至ったならば自己都合であれ会社都合であれ、自分自身が前職を辞して次のステップに移る必要性を感じて今ここにいるのだ、ということをきちんと示すことが最も重要なことだと思われます。また、「履歴書か職務経歴書に自己都合か会社都合か書く必要があるか」ということについてもとくに決まりがあるわけではないので、書きたければ書けばよいし、書きたくなければ書かなくてよいでしょう。「自己都合」か「会社都合」か、この線引きはハローワークが失業手当の給付条件を決めるための判断基準に過ぎないと割り切って考えてもよいと思います。「採用を検討している企業にとって自己都合と会社都合どちらがよいのだろう」などと考えるのは実際に意味のないことだと思いませんか?

早く働きたいという人は失業手当をあてにしない方がよい!

就労希望
こうして見ていくと自己都合で会社を辞めるとすごく損のように思えるかもしれませんが、それは違います。
失業手当はあくまでもセーフティーネットです。すなわち失業手当はどうしても次のステップのために備える期間がほしいという人のためのものであって、転職してすぐにステップアップできる人ならば失業手当をもらうことなくすぐにそうした方がその人自身の人生においてはるかにメリットがあることは言うまでもありません。マクロ経済的な視点で言うならば、社会の構成員が失業状態でいるということはその社会における労働資源の大きな損失でもあるのです。
20歳代の方、30歳代前半の方などはとくにそうですが、積極的に就職活動をすれば比較的早く次の就職先が見つかります。それに先ほど示した表を見てもわかるとおり、若い人は失業手当のメリットがあまり高くありません。
40歳、50歳代の人も失業手当に頼りすぎるのは危険です。働くことへの意欲が低下するとそのまま引きこもってしまうリスクが出てくるからです。
失業者は失業期間を自分を磨くための貴重な充電期間と認識し、1日1日、1瞬1瞬を大切に過ごすべきです。ダラダラ過ごしたい気持ちが出てきたら、それではいけないと自分を戒め、自分にとって必要と考える知識を積み上げるために勉強をしたり、健康のために運動を積極的にしたりして、有意義に過ごすように心がけていきましょう。

早期に再就職が決まるとハローワークから支給される手当がある

失業手当をもらっている人で、支給の日数を3分の1以上残した状態で就職が決まると、ハローワークからの再就職手当を受給する資格が発生します。再就職手当は支給残日数に基本手当の60~70%(0.6~0.7)をかけた金額になります。60%(0.6)は支給残日数が3分の1から3分の2までの人の掛け率、70%(0.7)は支給残日数が3分の2以上ある人の掛け率になります。
たとえば会社を辞めて失業認定され日額5000円の失業手当を240日間受け取る資格があって、10日後にすぐ就職が決まった人だと、たとえば支給残日数230日×0.7×5000=80万5千円の再就職手当が支給されるわけです。ところが会社を辞めてハローワークに失業を申請し、失業が認定されるまでの期間(待期期間)の間に次の就職が決まったら、この手当は支給されません。この手当は超早期の再就職には適用されないという盲点があることもここでお知らせしておきたいと思います。

失業が長引いたら求職者支援制度の活用を

失業後、就職活動がうまくいかず失業生活が長引いてしまい、失業手当をもらえる期間が終了してしまった――そんな人のために厚生労働省では「求職者支援制度」という制度を設けています。
これは厚生労働省が指定する求職者支援訓練講座に通うと、講座が行われる6ヶ月の間、毎月10万円(職業訓練受講給付金)が支給され、さらにその講座に通うための交通費(実費)も支給されるというものです。
ただしこの講座を受けるには以下の条件があります。

◆求職者支援訓練講座を受けるための条件

      • ハローワークに求職登録していること
      • 雇用保険を受給していないこと
      • 収入が月に8万円以下であること
      • 世帯全体の収入が月25万円以下であること
      • 世帯全体の金融資産(貯金など)が300万円以下であること
      • 今の居住地以外に土地・建物を所有していないこと
      • やむを得ない場合を除き、職業訓練講座にいつも出ていること※
      • 同世帯で同時に職業訓練講座を受け受給している人がいないこと

※どんな理由でも月間で8割以上の出席が必要です。
(参考)厚生労働省・求職者支援制度案内
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/kyushokusha_shien/dl/kyusyokusya02.pdf

求職者支援訓練講座にはどのようなものがあるの?

求職者支援訓練講座には以下のようなさまざまな講座が用意されています。
◆求職者支援訓練講座例
パソコン実務(エクセル・ワード操作などの習得)/WEBサイト制作実務/グラフィックデザイン/DTPデザイン/CAD/プログラミング/医療事務/介護実務/経理・会計実務/エステ・アロマ・ネイルスキル/農業技術/ペットトリミング/フードビジネス/製パン/ビル管理 他
興味のある方はハローワークの求職者支援訓練講座検索ページにたくさんの講座が用意されていますので見てみてくださいね。
(参考)ハローワークの求職者支援訓練講座検索ページ
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/kensaku/GECA150010.do

失業中こそ職業観の見直しを

職業観の構築
失業中は今後の自分の人生のワークスタイル、ライフスタイルを見直す絶好の機会となります。すなわち、自分はこれからどのように生きていけばよいか、どんな働き方ができるのか、などをこれまでの社会人経験を踏まえながら検証し、より明確で具体的なキャリアデザインを描き、それに向けて活動できる貴重な時間、それが失業期間なのです。
社会人経験を経ることで自分の関係してきた業界や職種などはより深く理解することができたはずですし、社会人経験をすることであらためて興味が出てきた業界、職種もきっとあるはずです。
今後働き続けるために必要となる条件を整理してみましょう。とりあえず常識的に考えられるものを列挙してみます。

◆働き続けるための重要な条件

      • 衣食住で満足できるだけの報酬があること(家族も含む)
      • 心身の健康を損ねることなく続けられるものであること
      • 自己実現(自分らしさを出して働くこと)がかなえられるものであること
      • 長い期間続けられるものであること
      • さまざまな経験を共有できる人々がいること
      • 後ろ暗い思いをしないものであること、少なくとも犯罪に関与・加担しないものであること

いくつか挙げてみましたがどうでしょう? これらの条件を満たしていくことのできる労働環境を見出すとともに、そこに所属し自らでよりよい労働環境を構築していくためにはそれまでに十分な経験と時間が必要だとは思いませんか? そうしてみると社会人経験のない学生時代のうちに生涯の仕事や職場を決めるということは実際にはかなり無理があるのではないでしょうか。私たちは社会人として生き、自分自身で痛い目に会うことで労働環境や組織を的確に見ることのできる目を養っていくのです。
こうして見ていくと理想の職場とは、十分に生活できるだけのお金をきちんと稼ぐことができ、自分らしい働き方をしながら、社会にとって必要とされ、職場の人たちとは切磋琢磨しながら長きにわたって続けることができる労働環境であると思われますが皆様はどう考えますでしょうか?

まとめ

人生の岐路
失業期間のあり方について見てきました。
言うまでもないことですが、失業期間は自分自身を見つめ直し、人生を立て直す非常に大切な時間です。
失業により社会的に不安定な境遇に置かれることはつらいことですが、自身の志向や適性と社会のニーズのマッチングを検証して合致させるための最高の機会だと捉えましょう。大切なのは自らの知力や体力を落とさないことです。次のステージでよりよいパフォーマンスをするために勉強や運動をする時間をきちんと確保することをお勧めします。

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